お気に召すまま

ジャニーズとNACSと、観劇と、自分の健康と

【観劇】子供の事情 / 新国立劇場 中劇場

こんにちは、yucaです。

観れて本当に良かったです!
三谷幸喜さんの作品は本当に大好き!
以下、ネタバレもありなので、
観劇予定の方はご注意ください。
というか読まない方が良いです。
是非とも前情報なしでご覧になってください!
あ、一言だけ。
大泉大先生の子猫ちゃんたちは何がなんでも
円盤化希望のお便りを出しましょう!







三谷幸喜の本領発揮

いやあ、本当に楽しい舞台でした。
劇場であれだけ大声で笑ったの初めて。
あんだけたくさんの大人たちが笑ってるのを同時に見たのも初めて。
概要で言うと、とある小学校の放課後の教室でしか話は動かない、
三谷幸喜さんお得意のシットコム
そして、これまた三谷さんお得意の台詞が多い会話劇。
テレビや映画で三谷作品を目にすることが圧倒的に多いけど、
三谷さんはやはり舞台の人なんだなあと感じました。
最後にあのセットにあんな効果があるなんて鳥肌でした。
あれは生の舞台作品でないと味わえない。
ものすごく奥行きが強調されたセットになっていたんですが、
それが最後にすーーーーっと奥に進んでいくんですね。
教室がどんどん遠くなっていく。
でも、教室の中はいつもの風景。
それが思い出に、記憶になっていく様がよく分かりました。
思わず小声で「おぉ・・・・」と言ってしまった 笑

カーテンコールも楽しくて!
劇中に歌われる歌があるんですが、それを少し歌詞を変えて。
歌い方、踊り方もキャラクターそれぞれでかわいいんです。
青木さやかさんが歌い出すんですが、
彼女は声がとても良いですね・・・
もともと大声でテレビを賑やかす方でしたが、
名女優に見事に変わっていくとは。
そんな彼女がいい声で笑顔で、
「早く帰れよ~!これで終わりだよ~!」
と歌うんです 笑
これも舞台でしかできない演出、伝わらない面白さ。
そのまま素直にスタンディングオベーションもないまま
終わってしまったのは残念でしたが・・・
普通の作品だったら3回はカーテンコールしてましたよ。
あの歌を歌って早々に終わらせたのも、
子供の頃の思い出のまま終わらせるためだったのかな・・・
カーテンコールって素に戻りますもんね。
そういう意味では納得の終わり方。
しかも楽しい三谷さんらしい終わり方だった。

まさかのミュージカル

そうそう、まさかのミュージカル的な演出だったのです。
いきなり歌い初めて本当にビックリした。
上記の歌が冒頭15分たったくらいのタイミングで
突然歌い出されるんですね。
それが転校生歓迎の演出なんだもん、ビックリさ。
その他にも何曲かありましたね。
天海さんの生歌聞けたのは感動です。
やっぱり宝塚ですからね。
歌での表現力がずば抜けてらっしゃった。
大泉先生ももちろん歌われましたよ!!
もうね、本気で 笑
そんな良い声の10歳さすがにいねえよってくらいの本意気。
2曲くらいソロあったかな。
そういう意味でも子猫ちゃんには必ず観ていただきたいのです。
円盤化運動を是非とも・・・!!


そうそう忘れてはいけないのが、
歌の伴奏がすべて生演奏で!!
舞台のセットの脇にあるピアノで演奏されていたのです。
演奏者はトニセンの「戸惑いの惑星」でピアノ演奏されていた、
荻野さんだったんです!!
あの冒頭でピアニカ吹きながら3人にお手紙渡してた方ですね。
パンフレット見てお名前を見つけて感動!
第4の壁を壊した演出で少し大泉先生と絡んでて嬉しかった!
今回もピアノ素敵でした!

三谷さんのお家芸 当て書き

そして、三谷さんお得意の当て書き。
それぞれのキャラが本当に生き生きしてた!
天海さんの頼れる兄貴間から垣間見える純粋さ・・・
大泉さんの周囲を自分のモノにしていく圧倒的なおしゃべり・・・
小池さんの生き生きしたいたずらっ子の表情・・・
全員が本当に素晴らしかったので
とてもじゃないですが書ききれません。
遅筆じゃなかったら、キャラについて語ってる記事書いてた。
ひとりひとりを活かす三谷さんの観察眼ももちろんすごいけど、
それに答えたキャラクターを作り上げる俳優陣もやはりすごい。
三谷さんってキャラクターだけじゃなくて
才能を見いだしますよね本当に・・・
ファンなのでどうしてもひいきしますけど、
大泉大先生を活かせる人って
NACSの面々以外だったら三谷さんが圧倒的にすごいと思う。
三谷作品の洋ちゃん本当に面白いもん。
これこれ~!!って思える洋ちゃんの使い方をしてくれる。
たまにすごくイケメンな使い方してもらってますけど、
やっぱり違和感ありますもんね(あれ)
次に洋ちゃんがこういう見られるチャンスは本公演かな。
今から楽しみでございます。
洋ちゃんに関してはまた別記事で語ります。
洋ちゃんのことまで話したらえらい長さになる。

子供は子供なりに社会を作ってる

さて、ここからはストーリーに対しての感想です。

  • 三谷さんの新作
  • 天海さんに洋ちゃん出演
  • なんか全員10歳やるらしい

この要素だけを最初インプットして思ったのが、
なに、また三谷さん大々的にお金かけてふざけちゃうの。
だったんですね。
たぶん、私だけじゃないと思う。
だってコントの匂いしか漂ってこないじゃないですか。
でも、実際見たら変わりました。
まぁ、ふざけてるんですよ、
三谷さんらしく笑える内容ではあったんですけど、
それだけじゃなかった。
子供は子供なりに大真面目に悩みながら生きていて、
子供が作り出す社会って確かにあったよねって。
確かに問題とか話してることは、
転校生、あげぱん、お楽しみ会、漢字テスト、席替え
のことで子供の事情なんですよ。
でも、それを大真面目に語って
大真面目に悩んで、
大真面目に話し合って、
って言う姿は大人の政治を見ているようでした。
子供は子供なりに社会を持っているんです。


そして、社会だからやっぱり純粋さだけでなく
シビアな部分もきちんと抱えていて。
それを小学生にとっては大事件の転校生を使って
うまく表現していたなあと思います。
三谷さんはかるーくこういう社会性を入れちゃうのがすごい。
転校生が来るという事件により、
いつも通りだった放課後の仲間たちに
少しづつ変化が現れ始めます。
そして、転校生本人はここにバッグボーンがないという優位性を使って
周りを次々に巻き込んでいく。
その過程で、子供のなかにも「自分は何者なのか?」という問題が浮かび始めます。


最後、ストーリーテラーだった林遣都くん演じるホジョリンが話します。

僕はこのあと転校してしまったから、
彼らの将来を語ることはできない。

でも、初の女性都知事は彼女ではなかったし、
彼の名もノーベル賞にはまだ連ねていない。

完璧にこうではないけど。
ネタバレも最小限にしたいからちょっと変えてます。
でも、すごくこの台詞がこの作品を物語っているような気がして。
子供の頃ってみんなが特別で、
みんなにポジションというか見えない役割ってありませんでした?
そして、その役割をこの先の人生も担っていくんだろうという、
今思えば決めつけでしかない感覚ってあったと思うんです。
どうして、その感覚があったのか考えてみると、
やっぱり子供なりに子供の社会で生きていたからなんですよ。
規模は小さいけれど、大人と変わらない社会があった。
小さいからこそ濃密で、みんなが特別だった。
Everyone is something special.
でも、大人になるにつれて、
世界が広がっていくにつれて
そのspecialが薄まってきてしまう。
「自分は何者なのか?」
それを見つける場が社会で、
見つける過程が人生なのかな、とこの作品を見て感じました。
大人も子供も、生きていることは同じ。
人生の本質は変わらないのでしょう。
大人の事情と同じように、子供にだって事情があるものです。




なんか壮大になっちゃいましたが、
極々能天気に見れた作品でした。
珍しくちゃんと考察できたな・・・
さて、洋ちゃんに関しては語り尽くせてないので
また別の記事を作ります。
本当に洋ちゃん良かった!!


では、長くなりましたがまた!